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探偵の技(尾行)

 この項では本物の探偵を見極めるために、プロとして当然使っている技を紹介しています。ただし、調査に支障の無い範囲内での紹介になりますのでご了承をお願いいたします。

 

 基本は尾行していることが対象者にも周囲の人にも絶対にバレてはいけません。また失尾(見失うこと)も禁物です。対象者に近づきすぎず離れすぎず、対象者の先の行動を常に読み尾行することが必要です。

1.徒歩尾行の場合
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・服装は目立たないもので、かつ周囲の環境に合わせたものを選びます。靴は底がゴム製のもの等、足音がしないものを選びます。夜間の尾行も考えて黒色系のものがいいでしょう。

 
・対象者の視界に入らないよう注意します。一度ぐらい視界に入っても、よほど変な行動をとらない限り、覚えられることはありませんが、見られないようにすることに越したことはありません。 

 

・対象者から目を離さないように注意します。相手は、いつ、どのような行動にでるか分かりません。目を離した隙に店に入るかも、道を曲がるかもしれません。 
 

・対象者と目線を合わさないようにします。対象者の背中か足を見ながら尾行すれば、対象者が急に振り返った場合、目線を合わせなくてすみます。 
 

・通常の尾行では調査員2名体制ですので、調査員は前後に離れたポジションを取り、対象者の視界に入った調査員は後ろに回します。

① 人混みでの尾行
 失尾しないよう対象者のすぐ近くを歩きます。警戒度の低い対象者であれば真後ろにくっついても大丈夫です。警戒度の高い対象者の場合は、人一人を挟んで歩きます。人が多いと対象者の後ろ姿全体は見え難くなりますので、対象者の後頭部か携行品を見ながら尾行すると失尾しなくてすみます。

② 人通りが少ない場所での尾行

 少し距離を空けて尾行します。対象者が振り返ることを想定し、人一人を盾にして歩きます。

 

 

 

          (左写真では白丸が対象者)


 

通行人がいない場合は建物や樹木等に隠れながら歩きます(テレビドラマの様な隠れ方はしません)。車の往来の少ない通りでは、道路の反対側を歩くことも対象者の警戒心を無くすることにつながります。ただ、距離を空けるということは、対象者の急な行動変化についていけなくなる可能性が高くなりますので、対象者から目を離さないよう細心の注意が必要です。 
 

 人はその先を右に曲がるならば自然と身体が右に動きます。ほんの少しの動きを読み取り対象者の動きを予測します。右に曲がっても急いで追いかけ右に曲がることは禁物です。直進する振りをして横目で対象者の様子を窺ってから曲がります。
 

 また、先にある信号機に注意します。対象者が横断歩道を渡れば、例え赤信号になっても渡ります。青信号に変わるまで待っていれば見失ってしまいます。

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③ 対象者が急に振り返った場合 
 慌てて立ち止まったり、歩く方向を変えたりすることは厳禁です。目線を合わせてもいけません。警戒度の低い対象者であっても、そのような行動をとった人物を見ると「なんだ?あいつは。」と記憶されてしまいます。 
 そのままの状態を維持する。歩く速度を変えず、そのまま進行方向に歩く。例え一瞬、目線が合っても、そ知らぬ顔をしてそのまま歩きます。そして、対象者を追い越した時、携帯をかける、店のウインドウを覗くなどしながら、対象者から目を離さないようにします。 

④ エスカレーターに乗る場合
 人一人を挟んで乗ります。

 

 

 

        (左写真、白丸が対象者)

 

 人通りの少ない路上を歩く時と同じですが、常に直ぐ後ろにいる者は対象者が記憶する恐れがありますので、誰かを盾にしてその陰になる位置をキープします。

 デパートなどのエスカレータはジグザグになっており、折り返し時に対象者は後ろにいる人を見ることになりますので、対象者に見られないよう数人を挟んで盾にします。

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⑤ タクシーに乗る場合
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 対象者が歩いている時、路上で立ち止り車が来る方向を見るような行動があれば、道を渡ろうとしているか、タクシーを捕まえようとしているかの、どちらかです。車の往来が無いのに立ち止っている場合はタクシーに乗ろうとしているので、すぐに車が来る方面に移動して対象者より先にタクシーを捕まえます 。対象者がタクシーに乗らず道を渡れば、タクシーの運転手には「ごめんなさい」です。
 

 対象者がタクシー乗り場に向かった場合は、対象者より先に並ぶのが理想的ですが、現実には中々そうもいきません。対象者のすぐ後ろに並び、対象者がタクシーに乗ったのを確認し次のタクシーに乗って追跡します。対象者の極至近距離に近づきますが、普通にタクシーを待つ一般人として並びます。決して対象者の顔をチラチラ見てはいけません。
 

 タクシー乗り場にタクシーが1台しかない場合や全くいない場合は、次のタクシーを待っていては見失ってしまいますので、この場合は対象者に話しかけます。もちろん1回限りの重大な場面での方法です。後の尾行を考えて即座に眼鏡や帽子等により変装します。実力のある探偵はこれぐらいの変装用具は常に携帯しています。「親が危篤状態で早く病院にいかなければいけない。先に乗せていただけますか?」懇願するような顔で、息をハァハァとしながら言ってもいいでしょう。調査員の演技力が問われます。対象者より先にタクシーに乗って、少し走った先で止まり、対象者が乗ったタクシーが追い越すのを待ちます。 
 

 タクシーを降りる場合、領収書は受け取らない、おつりは受け取らないのが普通です。対象者は待ってくれません。そんな事をしていれば失尾してしまいます。もっとも、対象者がタクシーを降りて、ゆっくり歩いているなど、余裕がある場合は、対象者を見ながら領収書やおつりはキッチリといただきます。 

タクシー追跡.jpg

⑥ 電車やバスに乗る場合
 対象者が電車に乗るため切符を買う場合は、対象者のすぐ後ろに並んで、どの金額のボタンを押すか確認します。探偵は常にSUIKAなどのカードを持っていますので、切符を買う必要はないのですが、対象者の購入する切符の金額を確認しておくと、対象者の降りる駅が大体分かるからです。 

 

 電車に乗る場合は混雑していない限り、隣のドアまたは隣の車輛に乗車します。テレビドラマでは電車に乗った対象者がドアの閉まる寸前に飛び出ることがあります。よほど警戒度の高い対象者でない限り、そのような行動はありませんが、車内に入った対象者がドアの直ぐ横に立った場合は、できるだけドアが閉まるギリギリまで乗らないで待ちます。 
 

 車内では対象者と同じ列や後ろの席をキープします。バスに乗る場合でも後ろの席をキープします。要するに対象者の視界に入らないようにすることです。 
 

 バスを降りる時、対象者が「降りるボタン」を押そうと手を伸ばした時、先にボタンを押すと堂々と停留所で降りることができますが、対象者が先に降りてから席を立ち、ゆっくりと降ります。

2.探偵車輛で尾行する場合
車輛追跡.jpg

 対象者が車で移動する場合、調査員も車を用意し尾行します。この項では、車でガチ追い(GPS無し)する場合のポイントを紹介します。
 

・渋滞対策として、通常は車とバイクを組み合わせて尾行する。 
 

・尾行に使う車は、黒かグレーの普通車が適しており、目立つ色や形の車は避ける。 
 

・後部座席の窓にはスモークフィルムを貼り、外から見えないようにする。 
 

・追跡時は調査がバレないよう、他の車を間に1台入れる。他に車がいない場合は車間距離を詰めない。(詰めると、うるさい車と記憶される)
 

・車には2人で乗り、運転手は運転に専念すると共に、間に他の車を入れた場合は対象者の車が右折するかどうかを見る。もう一人は連絡や撮影に専念すると共に、対象者の車が左折するかどうかを見る。
 

・2車線以上の道路では、左後ろの位置をキープし死角に入る。 
 

・信号の変わり目に注意する。信号に差し掛かったら歩行者信号を確認し、点滅し始めている場合は、車間距離を詰め対象者の車の速度に合わせる。間に入れた車が信号に引っ掛かった場合は即座に追い越して信号を突き切る。
 

・相手の車が信号待ちをした場合は、横道にいったん逃げるなどして、直ぐ後ろにはつかない。
 

・夜間はライトの高さ調整、フォグランプの点灯等を行なうと別車輌に見られる効果がある。 
 

・ルームミラーやサイドミラーを直視しない。(目を合わさない) 
 

・サンシェードを降ろし、対象者のバックミラーから見られないようにする。 
 

・急発進、急停車は目立つので避ける。 
 

・対象者の車が車線変更した場合、即座に合わせない。 
 

・対象者の車が交差点を右左折して即座に停車した場合は、直ぐに停車しないで、ゆっくりと追い抜き、その先を曲がり停車する。 
 

・対象者の車が左(または右)に3回曲がれば警戒しているので追跡車輌を変える。追跡車輌が1台の場合は追跡を中止し、深追いを避ける。 

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